複合商業施設のモデルを開く(登録なしで開けます。シミュレーションを動かすにはProが要ります)。2つの建物をブリッジ(連絡通路)でつなぐと、人の流れはどう変わるのか。この記事では、模擬の複合商業施設で、AIが保存されている土曜の午後のシナリオをそのまま使い、本館と映画館をつなぐブリッジを通る割合を変えて比べました。AIがMCPで呼ぶのと同じ道具を動かしました。以下の数字と図は、すべてその結果です。

1. 何を比べたか

本館(3階建て)・別館・映画館・5層の立体駐車場が、広場とブリッジでつながる模擬の施設です。保存されている土曜の午後のシナリオ(全員が出るまで1時間)は次のとおりです。

  • 来る人:車で来る人は最初の15分に1時間320人の割合で駐車場のどこかの階に止め、電車は3本(1本10人)、バスは2本(1本6人)。ベビーカー・車いすの人は最初の15分に1時間24人の割合で、エレベーターだけを使います。1回の実行で平均175人です。
  • 車と電車・バスで来た人の4分の1は、本館で買い物をしてから、次の回の映画を見に映画館へ行きます(1回の実行で平均30人)。
  • 12分に、前の回の映画が終わり、44人が出てきます。4割がフードコート(本館3階)、3割5分が車、2割5分が駅へ向かいます。
  • 映画館への行き来は、パラメータ bridgeShare %がブリッジ(本館3階と映画館2階のロビーの間)を通り、残りは本館の1階に下りて広場を回ります。0%はブリッジのない施設です。

AIは list_process_scenarios でこのシナリオを読み、sweep_process_parameters で bridgeShare を100%(いま)・50%・0%にして、それぞれ20回ずつ(同じ乱数の列で)走らせました。

2. 結果

指標ブリッジ:全員が通る(いま)ブリッジ:50%ブリッジなし
広場にいる人の最大11.5人15.4人20.2人
映画館のエスカレーター(上り)6.3回18.0回29.8回
映画館のエスカレーター(下り)13.0回29.3回44.0回
本館のエスカレーター(1階→2階)48.1回56.9回64.5回
本館のエスカレーター(2階→1階)40.6回51.3回61.9回
映画を見に行く人:着いてから席まで(本館の買い物を含む)10.7分10.6分10.5分
前の回の観客:映画館を出てから施設を出るまで(食べる人は食事を含む)9.7分10.3分10.8分
最後の人が出るまで47.5分48.1分49.6分
同じ土曜を、ブリッジのある場合とない場合で
広場にいる人の最大、映画館のエスカレーターを使った回数、観客が出るまで(20回の平均)
  • ブリッジがないと、広場にいる人の最大は2倍近くになる(11.5人から20.2人、差は8.7人、95%区間7.8〜9.5人)。
  • 映画館のエスカレーターの利用は4倍近くになる(上り下りで19.2回から73.8回)。前の回の観客44人は、全員が下りのエスカレーターで広場に下ります。本館のエスカレーターも、1階と2階の間で上りは48.1回から64.5回、下りは40.6回から61.9回に増えます。
  • それでも、どのエスカレーターにも列はできない。 20回のどの実行でも、どのエスカレーターでも待つ列の長さは0人でした。
  • 前の回の観客は、ブリッジがあると1分ほど早く施設を出る(ないと65.5秒長い、95%区間54.8〜76.2秒)。フードコートが本館3階のブリッジのそばにあり、ブリッジがあれば映画館のロビーからそのまま渡れるためです。
  • 映画を見に行く人は、ブリッジがあるほうがかえって少し遅い(ないほうが16.6秒短い、95%区間2.7〜30.5秒)。本館の1階や2階で買い物をした人は、ブリッジを使うには3階まで上がる必要があるためです。
  • 最後の人が出るのは、ブリッジがないと2.1分遅くなります(95%区間0.4〜3.8分)。

3. 来る人が多い日は

車で来る人を1.5倍(1時間480人)と2倍(640人)にして、ブリッジがある場合とない場合を同じく20回ずつ比べました。

車で来る人(1時間)320人(いま)480人640人
広場にいる人の最大:ブリッジあり11.5人11.9人12.1人
広場にいる人の最大:ブリッジなし20.2人20.7人21.0人
映画館のエスカレーター(上り):ブリッジなし29.8回40.1回50.0回
  • 広場にいる人の最大は、来る人が2倍になってもほとんど変わらない。 1分ごとの最大を1回の実行で見ると、ブリッジがあってもなくても、最大は始まって15分すぎ(3本目の電車が着き、前の回の観客が出たあと)の1分にできていました(ブリッジありで12人、なしで19人)。
  • 2倍の日でも、どのエスカレーターにも列はできませんでした。このモデルは、エスカレーターに一度に乗れる人数を、斜めの長さ0.4 mごとに1人とする仮定(出典のない推定)で数えています。

4. 使い方と、分からないこと

  • ブリッジの効き目を、どこに出るかで見る。 このモデルでは、ブリッジは「全員を速くする」ものではなく、映画の終わりに広場へ出る人の山を半分近くにし、観客をフードコートへ早く運ぶものでした。上映の終わる時刻、フードコートの階、駐車場や駅への向きによって、効き目は変わります。
  • 自分の施設で比べる。 同じように、つなぐ通路の割合をパラメータにして走らせれば、広場・エスカレーター・行き来の時間がどう変わるかを比べられます。

分からないこと:

  • 模擬の施設とシナリオで、寸法と人数は例です。測った施設ではありません。
  • 人は決まった速さで歩き、混んでも遅くなりません(群衆の物理は計算しません)。広場の「人の最大」は人数で、混み具合(1 m²あたりの人数)ではありません。
  • ブリッジがあると売上が上がるか、どの店に立ち寄るかは分かりません。
  • エスカレーターは、一度に乗れる人数(上の仮定)と速さ(0.5 m/s)だけで数えています。

使った道具

  • list_process_scenarios:保存されている土曜の午後のシナリオを読む
  • sweep_process_parameters:ブリッジを通る割合と、車で来る人の数を変えて、同じ乱数の列で20回ずつ走らせ、差と95%区間を出す
  • run_process_scenario・get_process_series:ブリッジのある場合とない場合を1回ずつ走らせ、広場にいる人を1分ごとに読む