ビジネスホテルの客室階のモデルから始める(無料登録)か、自分の図面を描いてください。客室から階段まで何メートル歩くかは、建築基準法施行令で上限が決まっています。この記事では、その歩行距離をAIに確かめてもらい、同じ経路を平面図に描いて、客室ごとの避難経路図にします。模擬のホテルで、AIがMCPで呼ぶのと同じ道具を動かしました。以下の数字と図は、すべてその結果です。

施行令が求めること

e-Govの条文から、次の値を使います(建築基準法施行令第120条・第121条)。

  • 居室の各部分から直通階段までの歩行距離(第120条第1項)。ホテル・旅館などの主たる用途の居室は、主要構造部が準耐火構造か不燃材料なら50 m以下、それ以外は30 m以下。無窓居室(採光に有効な部分が床面積の20分の1未満、第116条の2第1項第1号)は30 m以下。
  • 2つ以上の直通階段(第121条第1項第5号・第2項)。避難階以外の階で、ホテル・旅館などの宿泊室の床面積の合計が100 m²(主要構造部が準耐火構造か不燃材料なら200 m²)を超える階は、2つ以上の直通階段が要る。

check_space の walkingDistance は、居室のどの点からでも、壁・扉と、ここではベッドも回り込む最短の道で、いちばん遠い点とその経路を返します。get_view_image の routes は、その経路を平面図に描きます。始まりに点、終わりに矢印を描き、始まりのそばに客室名と長さを書きます。

1. 客室ごとの歩行距離

模擬の客室階は、5階の32 × 12 m。幅1.8 mの廊下の両側に客室が6室ずつ(1室20.08 m²、外壁に窓)、両端に階段があります。宿泊室は合わせて240.91 m²(get_space_quantities)で、200 m²を超えるので、2つの直通階段が要る階です。主要構造部は準耐火構造以上とし、客室は窓のある居室(無窓居室でない)として、上限は50 mです。

客室近い階段までの歩行距離階段
501号室7.64 m西
502号室11.84 m西
503号室16.04 m西
504号室18.17 m東
505号室13.97 m東
506号室9.76 m東
507号室8.91 m西
508号室12.19 m西
509号室16.23 m西
510号室18.31 m東
511号室14.19 m東
512号室10.26 m東

どの客室も、いちばん遠い点(ベッドの奥の隅)から近い階段まで18.31 m以内で、50 mに収まります。

2. 避難経路図

客室ごとの避難経路図
客室のいちばん遠い点から近い階段まで。点が始まり、矢印が終わり

それぞれの線は、客室のいちばん遠い点からベッドを回り込み、扉を出て廊下を進み、近い階段に着きます。上の帯に、描いた本数(12本)といちばん長い経路(18.31 m)が出ます。

3. 二方向の避難経路

近い階段が使えないときに備えて、階段を1つずつ指定して、それぞれへの経路も描きました。

階段いちばん遠い客室とその歩行距離
西の階段だけ512号室、28.66 m
東の階段だけ507号室、30.84 m
西の階段への経路
どの客室からも西の階段へ
東の階段への経路
どの客室からも東の階段へ

遠い方の階段まででも、どの客室も50 m以内です。もし客室が無窓居室なら上限は30 mで、東の階段だけでは501号室(30.77 m)と507号室(30.84 m)が超えます。

4. この数字と図の使い方

  • 図面を施行令に照らしたもので、建築確認や消防の検査ではありません。避難経路図は図面から描いたもので、建物の実測ではありません。掲示する前に、現地で扉や家具の位置を確かめてください。
  • 2つの階段への経路の重複区間(第121条第3項)、直通階段かどうか、内装による距離の割り増しは確かめていません。客室の窓の採光(無窓居室でないこと)も確かめていません。
  • 経路は、壁・扉とベッドを回り込む最短の道です。結果には誤差の幅を書きます(この記事では0.03 m)。