避難所になる体育館のモデルから始める(無料登録)。内閣府の「避難生活における良好な生活環境の確保に向けた取組指針」(令和6年12月改定)は、指定避難所について、避難所内の空間配置図、レイアウト図などの施設の利用計画をあらかじめ作成し、発災後は事前に作成したレイアウト図に沿ってパーティションを設置し避難者を誘導するよう求めています。床に長く横たわるとエコノミークラス症候群などの心配があるため、ベッドの設置が望ましいとも書いています。堺市の「堺市避難所運営マニュアル」(令和8年5月改正)の「段ボールベッド設営レイアウト例」は、段ボールベッドを幅約1.0 m×奥行約1.9 m、一人あたりの居住スペースを幅1.9 m×奥行1.9 m程度とし、車いすが通行できるよう通路幅を最低でも1 m、可能であれば1.2 m程度確保するとしています。この記事では、トイレの記事と同じ模擬の学校の体育館で、AIがこの決まりで段ボールベッドを並べ、区画番号の入ったレイアウト図を描いて、何人入るかを数えました。AIがMCPで呼ぶのと同じ道具を動かしました。以下の数字と図は、すべてその結果です。

1. AIに渡した決まり

  • 1人の居住スペースは1.9 × 1.9 m(3.61 m²)で、その中に段ボールベッド(1.0 × 1.9 m)を置く。
  • 通路は1.2 m(次に1.0 m)。
  • フロアの壁際には通路をとり、どの扉と非常口も通路に開くようにする。
  • フロアの扉(廊下へ出る2か所)と非常口(東西の2か所)の真ん中から、まっすぐ反対側まで通路を通す。
  • 居住スペースは背中合わせの2列までのまとまりにし、どの区画も通路に面するようにする。
  • まとまりにA、B、C…(北から南、西から東の順)、その中の区画に1、2、3…と番号を付ける。

AIは get_space で、32 × 20 mのフロアと、その縁の扉(北に器具庫の扉2つ、南にフロアの扉2つ、東西に非常口1つずつ)を読み、この決まりで区画を計算しました。北の器具庫の扉は、壁際の通路に開きます。

2. 通路1.2 mのレイアウト図

通路1.2 mのレイアウト図
体育館のフロアに、1人1.9 m角の居住スペースと段ボールベッドを通路1.2 mで並べた平面図(区画A-1〜L-4、78区画)
  • 通路1.2 mなら、78区画で78人が入ります。まとまりはA〜Lの12で、背中合わせの2列が6つ、1列が6つです。
  • AIは edit_space の2回の変更(非常口を結ぶ通路の北と南)で、居住スペースと段ボールベッドを156個置きました。どちらの変更も、取り消し1回で戻せます。
  • 区画の名前(A-1、A-2…)は、平面図の右の面積の表にも並びます。

3. 通路の幅を確かめる

AIは check_space を、いちばん狭い通路を1.2 m(minClearance)として呼びました。

  • 指摘は4件で、どれも廊下の更衣室2室・女子トイレ・男子トイレの扉(幅0.9 m)です。フロアの中には、1.2 mより狭い通路はありません。車いすの人は、多目的トイレ(扉1.2 m)を使います。
  • 入口(玄関)から、78区画のどれにも歩いて行けます(行けない区画の指摘はありません)。

4. 通路を1.0 mにすると

通路1.0 mのレイアウト図
体育館のフロアに、1人1.9 m角の居住スペースと段ボールベッドを通路1.0 mで並べた平面図(区画A-1〜L-8、91区画)

通路を1.0 mにすると91区画です。非常口を結ぶ通路の南に、区画の列(13区画)がもう1列入り、背中合わせの2列が2つになります(まとまりは背中合わせの2列が9つ、1列が3つ)。check_space を1.0 mで呼ぶと、指摘は同じ4件の扉だけで、入口から91区画のどれにも行けます。

5. 1人3.5 m²で数えた182人と比べる

トイレの記事では、フロアの640 m²を1人3.5 m²で割り、182人と数えました。通路をとると、こうなります(トイレは、内閣府の指針の初期50人に1基・中期20人に1基を、女性用と男性用を3:1に分けてそれぞれ切り上げ)。

数え方入る人数1人あたりのフロア初期のトイレ中期のトイレ
1人3.5 m²で割る182人3.5 m²女性用3・男性用1女性用7・男性用3
通路1.2 m78人8.2 m²女性用2・男性用1女性用3・男性用1
通路1.0 m91人7.0 m²女性用2・男性用1女性用4・男性用2
  • 1人の区画は3.61 m²で、指針の3.5 m²を満たします。それでも、通路をとるとフロアに入るのは182人の半分ほどで、1人あたりのフロアは7〜8 m²になります。入りきらない人の場所(教室など)も、同じ決まりでレイアウト図にしておけます。
  • 体育館の個室(女性用4・男性用2)は、78人でも91人でも、数の上では中期のトイレの数に足ります。朝に使う人が集まった時の待ち時間は、トイレの記事でシミュレーションしています。

6. このレイアウト図の使い方

  • 自分の避難所のフロアと扉・非常口を描き(図面のPDFや写真からでも)、居住スペースと通路の大きさをAIに伝えてください。ここの体育館は模擬のモデルです。
  • 家族は、となりの区画をつないで使います(堺市の例も、人数分の居住スペースをパーティションで区画するとしています)。たとえば4人家族なら、背中合わせの2区画を2つ(A-1・A-2・A-5・A-6)。
  • 壁際まで区画を並べると、もっと入ります。その時は、非常口と扉の前を空けて、もう一度 check_space で確かめてください。
  • このレイアウトに入れていないもの:受付、物資の置き場、要配慮者のスペース、男女別の更衣室・授乳室・休養スペース、子どもの遊びや学習のスペース(更衣室からこの4つは、指針が生活環境の改善のために設置を求めているもの)、パーティションの高さ、ベッドの向き。換気や暖房、感染症対策の間隔、避難の時間は計算していません。