放課後等デイサービスのモデルから始める(無料登録)か、自分の図面を描いてください。車椅子で使うトイレ(多目的トイレ)には、どのくらいの広さが要るでしょうか。この記事では、11のモデルのトイレの広さを、AIがMCPで呼ぶのと同じ道具で確かめました。以下の数字と図は、すべてその結果です。

1. 何を確かめたか

国の決まりと目安は次のとおりです。

  • トイレを設ける階ごとに1つ以上。 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する便所を設ける階では、そのうち1つ以上に車椅子使用者用便房を1つ以上(男女別ならそれぞれ)設けます(バリアフリー法施行令第14条第2項。同じ敷地の出入口の近くにある場合などの例外があります)。
  • 義務になるのは2,000 m²以上。 病院・診療所、物品販売の店舗、飲食店、老人ホームなどの特別特定建築物を、床面積の合計2,000 m²以上で建築するとき、この基準に適合させる義務があります(バリアフリー法第14条第1項、施行令第5条・第9条)。地方公共団体は、条例で対象や規模を広げられます(法第14条第3項)。義務にならない特別特定建築物の建築でも、適合させるよう努めます(同第5項)。
  • 広さの目安は2 m角と直径150 cm。 国土交通省の建築設計標準は、どの建築物でも、配管の収納などを除いた有効内法で2 m以上角を確保するとしています。床面積2,000 m²以上の、不特定多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する建築物では、便房の中で回れる円を直径150 cmから180 cmにしました(改正の概要、令和3年3月)。

AIは get_space で各トイレの区画(壁の内側の大きさ)を読み、check_space の turning で、便器や手洗いなど座った人が当たる部品をよけて、直径150 cmと180 cmの円が入るかを確かめました。

2. 11のトイレ

11のモデルで、車椅子で使う前提の印(accessible)が付いたトイレと、名前が多目的トイレのトイレです。

モデルトイレ内法(m)2 m以上角直径150 cm直径180 cmとれる最大の円
放課後等デイサービス多目的トイレ1.70 × 2.50いいえ入る入らない151 cm
居酒屋トイレ3.10 × 1.70いいえ入る入らない170 cm
特別養護老人ホームトイレ12.60 × 2.00はい入る入る200 cm
歯科医院多目的トイレ2.10 × 3.85はい入る入る210 cm
学校の体育館多目的トイレ2.15 × 3.70はい入る入る215 cm
内科クリニック多目的トイレ2.20 × 3.30はい入る入る220 cm
オフィスフロア個室トイレ(男女共用)2.40 × 2.40はい入る入る206 cm
デイサービスセンタートイレ12.50 × 3.00はい入る入る250 cm
公民館多目的トイレ2.60 × 3.80はい入る入る260 cm
コンビニエンスストア多目的トイレ2.65 × 2.80はい入る入る235 cm
サービスエリアのトイレ棟多目的トイレ5.80 × 3.00はい入る入る295 cm

3. 円が入っても、2 m角とは限らない

  • 11のうち9つは、短い辺が2 m以上で、直径180 cmの円も入ります。
  • 放課後等デイサービスの多目的トイレと居酒屋のトイレは、片側が1.70 mです。直径150 cmの円は入りますが、2 m角に届かず、180 cmの円は入りません。
  • 円は便器や手洗いをよけて測ります。オフィスの個室トイレは2.40 m角ですが、とれる最大の円は206 cmです。

4. 間仕切りを動かして2 m角に

放課後等デイサービスの多目的トイレ(1.70 × 2.50 m)を、隣の倉庫の側へ広げました。

  • 間仕切りを0.3 m動かす。 AIは edit_space の1回の変更で、倉庫との間仕切りを0.3 m動かし、倉庫の棚の奥行きを0.45 mから0.40 mにしました。トイレは2.00 × 2.50 mになり、倉庫は1.60 × 2.50 m(4.00 m²)から1.30 × 2.50 m(3.25 m²)になります。棚の前の通路は1.15 mから0.90 mです。
  • 2 m角にしても、手洗いの位置で円は166 cm。 手洗いが部屋の南の端に残るので、180 cmの円はまだ入りません。
  • 手洗いを便器の横へ。 手洗いを北の壁の便器の横に移すと(2回目の変更)、とれる最大の円は181 cmになり、180 cmの円も入ります。どの段階でも、check_space の指摘は0件でした。
広げる前の多目的トイレ(1.70 × 2.50 m)
幅1.70 mの多目的トイレで、とれる最大の円は151 cm
広げたあとの多目的トイレ(2.00 × 2.50 m)
間仕切りを0.3 m動かして手洗いを便器の横に移し、とれる最大の円は181 cm

円は、平面図に円を描く重ね描き(get_view_image の reach)で、turning が見つけた最大の円を描いたものです。

5. 使い方と、分からないこと

  • 2 m角は区画の大きさから、円は道具が測る。 区画は壁の内側に描いているので、配管の収納を描いていなければ、その分は差し引かれていません。
  • 見ていないもの。 手すり、便座の高さ、扉の幅と開き方、オストメイトやベビーシート、男女別の数は確かめていません。
  • 規模の決まり。 このモデルの床は10.2 × 7.2 mで、法の適合義務の2,000 m²より小さい建物です。180 cmの円は、2,000 m²以上の建物の目安です。自治体の条例で決まりが変わることがあります。

使った道具

  • get_space:トイレの区画の大きさを読む
  • check_space:直径150 cmと180 cmの円が入るか(turning)、通路や扉に問題がないか
  • edit_space:間仕切り・棚・手洗いを動かす(1回の変更ずつ)
  • get_view_image:平面図に円を描く