コンビニのモデルを開く(登録なしで開けます。シミュレーションを動かすにはProが要ります)。売りたい商品をどの棚の面に置くか。客がよく通る場所は、床のヒートマップでも分かります。ただ、客が通る場所と、棚の面が客の前にある時間は同じではありません。この記事では、模擬のコンビニで、AIが保存されている昼のピークのシナリオをそのまま走らせ、客が進む向きを見ていると仮定して、棚の面ごとに客の視野に入っていた時間を数えました。AIがMCPで呼ぶのと同じ道具を動かしました。以下の数字と図は、すべてその結果です。

1. 何を数えたか

模擬のコンビニの、保存されている昼のピークのシナリオです。1時間に150人の割合で35分の間、客が駐車場から来て、棚・飲料の冷蔵ケース・弁当の棚・雑誌などで商品を取り、レジに並んで会計します。この1時間の1回の実行では、客は85人でした。

AIはシナリオを走らせ(run_process_scenario)、get_visibility の attention で、客(店員と配送の運転手を除く)について数えました。

  • 1秒ごとに、客は再生と同じ場所に立ち、進む向きを見ていると仮定します。 止まっている間は、最後に歩いた向きのままです。
  • 視野は、進む向きの左右60°ずつ(120°)・上下60°・6 m以内です。
  • 棚の面の上の点(高さ1.2 m)が視野に入り、面が客のほうを向き、間に棚や壁がなければ、その1秒をその面に足します。
  • 面ごとに、客×秒(客の人数×秒)と、一度でも視野に入った客の数を出します。

数えたのは棚の88面です。棚・ゴンドラ・冷蔵ケースは、長い2つの面を数えます。ほぼ正方形の台(ゴンドラの端の台など)は4つの面です。アイスの平台(高さ0.9 m)は、1.2 mに面がないので数えていません(height を0.8 mにすれば数えられます)。

2. いちばん長く視野に入った面

順棚面客×秒客
1たばこ・くじ棚(レジの奥)東5,88785人(100%)
2ゴンドラ:チョコレート西2,54085人(100%)
3ゴンドラ:あめ・ガム西2,51385人(100%)
4雑誌の棚北1,95785人(100%)
5雑誌の棚北1,83384人(98.8%)
6雑誌の棚北1,81861人(71.8%)
7パン西1,51647人(55.3%)
8ゴンドラ:スナック西1,41674人(87.1%)
9弁当・おにぎりの棚西1,27735人(41.2%)
10ゴンドラ:ギフト西1,26854人(63.5%)
  • いちばん長いのは、レジの奥のたばこ・くじ棚です。 85人全員の視野に入り、客1人あたり平均69秒です。客はレジの列でレジのほうを向いて待つので、その間ずっと、この棚が前にあります。
  • 次は、列の横のゴンドラの端(チョコレート、あめ・ガム)です。どちらも85人全員の視野に入っています。
  • 窓ぎわの雑誌の棚も、ほぼ全員の視野に入ります。

3. 一度も視野に入らない面

88面のうち25面は、一度も客の視野に入りませんでした。

  • バックルームと搬入口の、在庫の棚とかご台車(客が入らない場所)
  • 壁に背を向けた面(弁当・サンドイッチの棚とパンの東、ウォークイン冷蔵庫の在庫の棚の北など)
  • となりのゴンドラに接する面(スナック・調味料・ナッツ・健康・ギフトの北)
  • たばこ・くじ棚の西(カウンターの中の側)

どれも売り場の面ではありません。売りたい面がこの中に入っていたら、その面は客から見えていないということです。

4. 仮定を変えると

視線の仮定を変えて、同じ実行で数え直しました。

  • たばこ・くじ棚は、どの仮定でも1位のままです(視野60°で3,272、6 mを3 mにすると4,326客×秒)。
  • 上位5面のうち、もとの上位5面に残るのは、視野60°で4面、3 mで3面です。
  • 3 mにすると、雑誌の棚は上位5面から外れます。雑誌の棚は、離れた所から視野に入っていたということです。

順位の細かいところは、仮定で変わります。案を比べるときは同じ仮定で比べ、いくつかの仮定で同じ結論になるかを確かめてください。

5. 平面図

棚の面が客の視野に入った時間
棚の面が客の視野に入った時間(太く濃いほど長い。破線は一度も入らない面)

get_view_image の attention で、同じ計算を平面図に描きました。視野に入った面を件数で4つに分け、長いほど太く濃く描いています。破線は一度も入らない面、数字は長い5面です。

6. 使い方と、分からないこと

  • 販促の商品を置く面を選ぶ。 列の前と横の面(たばこ・くじ棚、ゴンドラの端)は、客が待つ間ずっと前にあります。
  • 棚の配置の案を比べる。 棚の向きや場所を変えた案で同じシナリオを走らせ、同じ仮定で数えれば、どの面が長く見えるようになるかを比べられます。

分からないこと:

  • 数えたのは「視野に入っていた時間」です。実際に見たか、手に取ったか、買ったかは分かりません。
  • 客は首を回さず、進む向きを見ると仮定しています。
  • 客どうしで棚が隠れることは数えていません。
  • 1回の実行(決まった乱数)の結果です。

使った道具

  • run_process_scenario:保存されている昼のピークのシナリオを、そのまま走らせる
  • get_visibility(attention):棚の面ごとに、客の視野に入っていた時間と人数を数える
  • get_view_image(attention):同じ結果を平面図に描く