狭小地の住宅のモデルから始める(無料登録)か、自分の図面を描いてください。住宅の居室には、床面積の7分の1以上の「採光に有効な部分」が要ります。窓の面積をそのまま数えるのではありません。隣地境界線までの距離と、窓の上にある建物の高さから決まる採光補正係数を掛けます。この記事では、模擬の2階建て住宅で、AIがMCPで呼ぶのと同じ道具を動かしました。以下の数字は、すべてその結果です。

法と施行令が求めること

e-Govの条文から、次の値を使います(建築基準法第28条第1項・第4項、建築基準法施行令第19条・第20条)。

  • 住宅の居住のための居室は、採光に有効な部分の面積が床面積の7分の1以上(令第19条第3項。保育室や、幼稚園・小学校・中学校・高等学校などの教室は5分の1、大学などそれ以外の学校の教室は10分の1)。ふすま・障子などで仕切られた2室は、1室とみなす(法第28条第4項)。
  • 採光に有効な部分は、窓ごとの面積×採光補正係数の合計(令第20条第1項)。
  • 採光補正係数は、採光関係比率から計算する。採光関係比率は、窓の直上にある建物の部分(軒・屋根・上の階の壁)からその部分が面する隣地境界線までの水平距離Dを、その部分から窓の中心までの垂直距離Hで割った値のうち、最も小さいもの。住居系の地域では、採光関係比率×6−1.4。道に面する窓は道の反対側の境界線までを測り、1.0未満なら1.0。道に面しない窓は、Dが7 m以上で1.0未満なら1.0、7 m未満で負なら0。上限は3.0(令第20条第2項第1号)。

check_space の daylight は、図面の敷地のゾーンを隣地境界線として、窓から外へまっすぐ測ってDを出します。窓の上にある建物の部分(壁・屋根)は各階の図面から読み、窓の両端・中央・近くの部分の縁を通る線ごとに、最も小さいD/Hをとります。

1. 図面のままの住宅

床面積は、部屋の区画(壁の内側)を壁の中心線まで広げた広さです(施行令第2条第1項第3号)。

階部屋床面積要る面積(7分の1)窓(D/H/係数)有効な面積結果
1階和室13.49 m²1.93 m²西の窓:0.7 m/4.05 m/00 m²足りない
1階LDK35.7 m²5.1 m²南の窓2つ:3.6 m/5.96 m/2.22と、3.6 m/5.52 m/2.5115.09 m²足りる
2階北の部屋11 m²1.57 m²北の窓(道路の反対側まで):6.2 m/2.29 m/3.05.28 m²足りる
2階寝室19.69 m²2.81 m²南の窓:3.6 m/2.57 m/3.05.28 m²足りる
2階子ども部屋16.01 m²2.29 m²東の窓:0.7 m/1.15 m/2.252.97 m²足りる
1階の平面図
1階:和室・玄関ホール・LDK
2階の平面図
2階:北の部屋・寝室・子ども部屋

和室の西の窓と子ども部屋の東の窓は、どちらも隣地境界線から1 mで、軒の出0.3 mの先から測ると0.7 mです。2階の東の窓の上にあるのは軒だけです。Hが1.15 mなので比は0.61、係数は2.25です。1階の西の窓の上には2階の壁と軒があり、Hが4.05 mになります。比は0.17で、7 m未満で計算値が負になるので、係数は0です。同じ距離でも、上にある建物の高さで結果が変わります。床の検査(check_space)の指摘は、どの階も0件です。

2. 和室に採光をとる

変えたこと和室の面積要る面積有効な面積結果
ふすまで仕切った和室とLDKを1室として数える(法第28条第4項)49.19 m²7.03 m²15.09 m²足りる
和室の北の外壁に、道路に面した窓(幅1.6 m)を足す(edit_space)13.49 m²1.93 m²5.28 m²足りる
北の窓を足したあとの1階の平面図
和室の北に、道路に面した窓

北の窓は道路に面するので、Dは道路の反対側の境界線まで(6.2 m)測られ、係数は上限の3.0です。

3. この数字の使い方

  • 図面を法と施行令に照らしたもので、建築確認ではありません。用途地域は、模擬の敷地として住居系としました。
  • 照明設備の設置などによる割合の緩和(令第19条第3項ただし書)、公園・川などに面する窓、半透明のひさしは確かめていません。天窓と縁側は、指定すれば係数に掛けます。
  • 窓の上の部分は、壁・建物のかたまり・切妻屋根・丸屋根から読みます。ほかの形の屋根や手で描いた立体は数えないので、DとHを手で渡してください。