居室の窓は、明るさ(採光)、空気(換気)、煙(排煙)のそれぞれで、床面積に対する大きさが決まっています。同じ窓でも、決まりごとに数える部分が違います。この記事では、これまでの記事でAIが確かめた6つの建物の部屋を並べました。AIがMCPで呼ぶ道具(check_space の daylight・ventilation・smokeVents)の結果です。床面積は壁の中心線まで(施行令第2条第1項第3号)で数えます。
1. 決まり
| 決まり | 求める大きさ | 数える部分 |
|---|---|---|
| 採光(建築基準法第28条第1項) | 住宅の居室・病室などは床面積の7分の1、保育室・教室は5分の1 | 窓の面積×採光補正係数(隣地や上の階までの距離で決まる) |
| 換気(同第2項、事務所衛生基準規則第3条、労働安全衛生規則第601条) | 床面積の20分の1 | 窓が開く部分(引違い窓なら半分) |
| 施術所(柔道整復師法施行規則第18条) | 施術室の床面積の7分の1 | 外気に開く部分 |
| 排煙(施行令第116条の2第1項第2号) | 床面積の50分の1 | 天井から下80 cm以内(天井が2.6 mを超えれば床から1.8 m以上、令和7年国土交通省告示第992号)の開く部分 |
- 換気が足りない居室は換気設備(施行令第20条の2)、排煙が足りない居室は無窓居室として、用途と規模によって排煙設備や内装の制限がかかります。
2. 部屋ごとに
| 建物 | 部屋 | 決まり | 要る面積 | ある面積 |
|---|---|---|---|---|
| 狭小地の2階建て住宅 | 1階の和室(西の窓、隣地から1 m) | 採光 | 1.93 m² | 0 m² |
| 狭小地の2階建て住宅 | 和室とLDK(ふすまで1室) | 採光 | 7.03 m² | 15.09 m² |
| 狭小地の2階建て住宅 | 1階の和室(道路側に窓を足す) | 採光 | 1.93 m² | 5.28 m² |
| ビルの3階の保育所(商業系) | ほふく室(最上階) | 採光 | 7.44 m² | 7.56 m² |
| ビルの3階の保育所(商業系) | ほふく室(上に1階) | 採光 | 7.44 m² | 2.15 m² |
| ビルの3階の保育所(商業系) | ほふく室(上に3階) | 採光 | 7.44 m² | 0 m² |
| 狭小地の2階建て住宅 | 2階の寝室(畳数の記事) | 換気 | 0.98 m² | 0.88 m² |
| 狭小地の2階建て住宅 | 2階の子ども部屋(畳数の記事) | 換気 | 0.8 m² | 0.66 m² |
| オフィスのフロア | 執務室 | 換気 | 7.26 m² | 8.1 m² |
| オフィスのフロア | 会議室A(窓なし) | 換気 | 1.54 m² | 0 m² |
| オフィスのフロア | 受付・応接 | 換気 | 2.78 m² | 2.7 m² |
| 町工場 | 作業場(シャッターを閉める) | 換気 | 12.74 m² | 2.88 m² |
| 町工場 | 作業場(シャッターを開ける) | 換気 | 12.74 m² | 15.84 m² |
| 整骨院 | 施術室(正面のガラスがはめ殺し) | 施術所 | 4.56 m² | 1.92 m² |
| 整骨院 | 施術室(正面のガラスが引違い) | 施術所 | 4.56 m² | 7.2 m² |
| 路面店 | 売場(天井の高い) | 排煙 | 2.09 m² | 1.62 m² |
| 路面店 | 売場(東の窓の上端を2.8 mへ) | 排煙 | 2.09 m² | 2.7 m² |
| 路面店 | 休憩室(窓なし) | 排煙 | 0.3 m² | 0 m² |
| 路面店 | 休憩室(窓を足す) | 排煙 | 0.3 m² | 0.42 m² |
- 採光は隣地が近いと0。 隣地境界線から1 mの和室の西の窓は、採光補正係数が0で、窓があっても数えられません。ふすまで仕切ったLDKと1室として数えるか、道路側に窓を足すと足ります。
- 保育所は上の階でも変わる。 商業系の地域のほふく室は、採光が5分の1の7.44 m²要ります。最上階なら7.56 m²で足りますが、上に1階あると2.15 m²、3階あると0 m²で足りません。
- 採光が足りない部屋は、広告では納戸。 表の狭小地の住宅の和室は、畳数の記事に出てくる和室と同じ部屋です。描いたままでは居室と認められず、広告では「和室」でなく「納戸」と表示することになります。
- 換気は開く部分だけ。 同じ住宅の2階は、寝室が0.88 / 0.98 m²、子ども部屋が0.66 / 0.8 m²で、どちらも窓が足りません(有効な面積 / 要る面積)。畳数の記事では、換気設備のないモデルの窓だけを数えています。オフィスの受付・応接は窓が2.7 m²開き、20分の1の2.78 m²にわずかに足りません。窓のない会議室Aは、換気設備で240 m³/hが要ります。
- 同じ窓でも決まりで違う。 整骨院の施術室は、建築基準法の換気(20分の1)には足りても、施術所の7分の1には、正面のガラスがはめ殺しだと足りません。
- 排煙は高さも。 天井の高い路面店の売場は、窓が天井近くにないと煙を出せる部分が足りず、窓の上端を上げると足ります。
3. それぞれの記事
- 隣地に近い窓は採光に数えられる?狭小地の住宅
- ビルの3階の保育所、保育室の窓は足りる?
- その部屋は何畳?窓が足りない部屋は「納戸」
- 換気扇が要る部屋はどれ?オフィスの窓
- 町工場のトイレは男女別?換気と気積も
- 整骨院・鍼灸院の施術室は何m²?待合室と窓
- 天井の高い店の窓で、煙は出せる?
4. AIへの頼み方
この家(図面のとおり)の居室ごとに、採光が床面積の7分の1に足りるか確かめてください。隣地境界線までの距離は西が1 m、南の道路は幅6 mです。足りない部屋はどうすれば足りますか。
5. 確かめていないこと
- 採光の照明による緩和(施行令第19条第3項ただし書)、換気の火を使う室の決まり(建築基準法第28条第3項)、排煙設備の構造は扱っていません。
- 最後は確認検査機関や特定行政庁に確かめてください。



