物流倉庫のモデルを開く(登録なしで開けます。シミュレーションを動かすにはProが要ります)。新しい荷主の出荷を、運送会社の締め時刻に間に合わせるには、ピッキングと梱包に何人要るか。同じ注文でピッキング担当と梱包台の数を変え、AIがシミュレーションで比べます。この記事では、模擬の倉庫で、AIがMCPで呼ぶのと同じ道具を動かしました。以下の数字は、すべてその結果です。
1. 倉庫と午後の出荷
模擬の倉庫は3PL(物流代行)の倉庫で、新しい荷主の午後の出荷(13:00〜17:30)です。
- 注文は13:00〜15:00に1時間45件ずつ、ランダムな間隔で来ます(ポアソン到着、2時間で平均91.5件)。
- 空いているピッキング担当がピッキングリストを出してカートを取り、地上のパレットから1〜3ケースを取ります。4件に3件は共用の荷物用エレベーター(カート2台、秒速0.5 m)で中2階へ上がり、棚から2〜5個を取って下ります。
- カートは空いている梱包台へ置きます(向かっているカートも数え、なければ列のいちばん短い台)。梱包担当が梱包・計量・ラベル貼りをして(約200秒)、箱はコンベヤで仕分けへ流れます。
- 15:45の締めまでに梱包してコンベヤに乗った注文は、運送会社の今日の便に乗り、それより後は翌日の便です。リーチフォークがピッキングの棚を補充します。
- いまはピッキング担当4人、梱包台2台です。数えていないもの:1台のカートでの複数注文のまとめ(バッチ)、通路の混雑、ピッキングミス、休憩、人件費、運送会社の積める量。
2. ピッキング担当と梱包台の数
AIは保存されているシナリオのパラメータ(ピッキング担当の人数・梱包台の数)を、sweep_process_parameters で値ごとに、同じ乱数の20回走らせました。締めに間に合わない注文(91.5件のうち、20回の平均):
| ピッキング担当 | 梱包台2台 | 梱包台3台 |
|---|---|---|
| 4人(いま) | 25.2件 | 25.2件 |
| 5人 | 16.7件 | 10.0件 |
| 6人 | 15.9件 | 1.1件 |
| 7人 | 15.9件 | 0.0件 |
- いまの4人・梱包台2台では、25.2件が締めに間に合いません。注文はピッキング担当を平均42.7分待ちます。
- 梱包台を3台にしても、4人のままなら25.2件で変わりません。足りないのはピッキング担当です。
- 6人・梱包台3台にすると1.1件(95%区間は0〜2.2件)、7人・梱包台3台では20回のどれでも0件でした。
3. 片方だけ増やすと、列が移る
梱包台2台のまま、ピッキング担当を増やしたとき:
| ピッキング担当 | ピッキング担当を待つ | 梱包台で待つ | 梱包台の列(最長) |
|---|---|---|---|
| 4人 | 42.7分 | 1.5分 | 2.0台 |
| 5人 | 23.4分 | 9.4分 | 5.3台 |
| 6人 | 11.8分 | 20.0分 | 10.9台 |
| 7人 | 5.0分 | 26.6分 | 14.3台 |
- ピッキング担当を増やすほど、注文がピッキング担当を待つ時間は減りますが、梱包台の前にカートの列ができます(7人で最長14.3台)。そのため、6人からは間に合わない注文が15.9件より減りません。
- 締めに間に合わせるには、ピッキングと梱包の両方が要ります。
4. 荷主の注文が増えたら
6人・梱包台3台にしたシナリオの写しを作り(保存されているシナリオはそのまま)、1時間の注文を増やしました。
| 1時間の注文 | 注文(2時間) | 締めに間に合わない |
|---|---|---|
| 45件(いま) | 91.5件 | 1.1件 |
| 55件 | 110.6件 | 13.1件 |
| 65件 | 131.4件 | 32.8件 |
- 同じ人数のままでは、荷主の注文が1時間55件に増えると13.1件が間に合いません。見積もりのときは、荷主の注文の増え方まで試しておくと確かです。
5. この数字の使い方
- 荷主の時間ごとの注文数、1件あたりのケースと個の行数、中2階の小物の割合は、荷主のデータから分かります。ピッキング・梱包の時間とカートでの歩く速さは、自分の倉庫で測った値をAIに伝えてください。エレベーターの1回の時間と、運送会社ごとの締め時刻も。
- この記事は人員の計画で、売上の予測ではありません。休憩と欠勤の余裕、注文のまとめ方は、自分の決まりで足してください。
- 計算していないもの:カートでの複数注文のまとめ、通路の混雑、ピッキングミス、休憩、人件費、運送会社の積める量。



