事務所ビルのモデルから始める(無料登録)か、自分の図面を描いてください。事務所の誘導灯は、飲食店や物販店と違い、ふつうの階には要りません。ところが「誘導標識」は事務所にも要り、省略できるかは、部屋のどこからでも出口が見えるかで決まります。この記事では、3階建ての事務所ビルのモデルで、誘導灯と誘導標識が要るかを、AIに確かめてもらいました。AIがMCPで呼ぶのと同じ道具を動かしました。以下の数字と図は、すべてその結果です。
1. 決まり
- 誘導灯。 避難口誘導灯と通路誘導灯は、事務所(消防法施行令 別表第一(十五)項)では、地階・無窓階・11階以上の部分にだけ要ります(消防法施行令第26条第1項第1号・第2号)。飲食店・物販店((三)項・(四)項)などは、すべての階に要ります。
- 誘導標識。 別表第一の(一)〜(十六)項に要ります(同第4号)。事務所にも要ります。
- 省略。 居室の各部分から主要な避難口を容易に見とおし、識別でき、そこまで歩いて30 m以下の階は、誘導標識を要しません(消防法施行規則第28条の2第3項第1号)。主要な避難口は、避難階では屋内から直接地上へ通じる出入口、ほかの階では直通階段の出入口です。無窓階は省略できません。
2. やったこと
- モデルは、21 × 15 mの3階建ての事務所ビルです(消火器の記事と同じ)。北に階段ホール・トイレ・給湯室・会議室(3階は書庫)、廊下をはさんで南に事務室。階段は北西の隅に1つで、階段ホールに扉はありません。
- 居室は事務室と会議室で、3階は事務室だけです(トイレ・給湯室・階段ホール・廊下と3階の書庫は数えません)。主要な避難口は、1階は南の入口(自動ドア)、2階・3階は階段です。
- AIは
check_spaceのexitSignsで、各階を、無窓階でない場合と無窓階の場合で確かめました。見とおしは床から1.5 m以上の物がさえぎるとし(仮定)、机の島(高さ0.72 m)はさえぎりません。歩く道のりは、机の島も回って測ります。
3. 結果
| 階 | 誘導灯 | 誘導標識 | 事務室 | 会議室 |
|---|---|---|---|---|
| 1階 | 要らない | 要る | 13.58 m、入口が見える | 19.78 m、入口が見えない |
| 2階 | 要らない | 要る | 21.13 m、階段が見えない | 18.86 m、階段が見えない |
| 3階 | 要らない | 要る | 21.13 m、階段が見えない | —(書庫) |
距離は、部屋のいちばん遠い点から、近い主要な避難口まで歩く道のりです。
- 1階:会議室から入口が見えません。 事務室は入口と同じ部屋なので、どこからでも入口が見え、見える入口まで歩いても13.28 mで30 m以内です。会議室は壁と扉で区切られ、入口が見えません。居室が1つでも見えなければ、その階は誘導標識を省略できません。
- 2階・3階:どの部屋からも階段が見えません。 階段は階段ホールの奥にあり、事務室とも会議室とも壁で区切られています(3階の給湯室の隣は書庫で、居室ではありません)。歩く道のりは30 m以内でも、見えないので省略できません。
- 無窓階なら: どの階も、避難口誘導灯と通路誘導灯が要り、省略もできません。
図の経路の長さは、描いた折れ線の長さです(点を0.01 mに丸めるので、表と0.01 m違うことがあります。3階の事務室は21.12 m)。
4. AIへの頼み方
3階建ての事務所ビルです。各階に誘導灯と誘導標識が要るか、省略できるかを確かめてください。居室は事務室と会議室(3階は事務室だけ)、1階の出口は南の入口、2階・3階は階段です。無窓階だったらどうなるかも教えてください。
5. 確かめていないこと
- 各階が無窓階かどうか(消防法施行規則第5条の5)は確かめていません。敷地と道路を描くと、
check_spaceのfireWindowlessで確かめられます。 - 誘導標識の置き場所・大きさ・間隔、誘導灯の種類は扱っていません。
- 停電のときの非常用の照明装置は、建築基準法の別の決まり(施行令第126条の4)です。
- 最後は、所轄の消防署に確かめてください。



