オフィスビルのモデルから始める(無料登録。シミュレーションの実行はPro)。国土技術政策総合研究所の「国総研資料 第702号」(低炭素建築物認定基準の技術資料、一次エネルギー消費量算定プログラム解説(建築物編))の「昇降機設備の入力」は、エレベーターの標準輸送能力を決めています。主たる建物用途が事務所等で一社占有の建物は0.25、一社占有の建物でない場合は0.20です。計画輸送能力は、5分間エレベータ輸送人数をエレベータ利用人数で割った値です。5分間の輸送人数は、300 × 乗客数 × 台数 ÷ 一周時間で求めます。この記事では、模擬のオフィスビルで、AIが朝の上りのシナリオを書きました。5分間に運べる人数と待ち時間を、かごの台数を変えて確かめています。AIがMCPで呼ぶのと同じ道具を動かしました。以下の数字と図は、すべてその結果です。
1. ビルとエレベーター
模擬のビルは1フロア36 × 18 mの9階建てです。2〜9階の8つの事務室の階に60人ずつ、480人が働きます。エレベーターは1つのグループで、かごの床は1.6 × 1.5 m=2.4 m²です。
- 建築基準法施行令第129条の5第2項の表で、このかごの積載荷重は9,810 Nです(1.5 m²を超える0.9 m²に1 m²あたり4,900 N、それに5,400 N)。1人65 kg(第129条の6第5号)で数えると、最大定員は15人です。
- 速さ(毎分105 m)、扉の開閉4秒、開いている時間2秒、加速度0.9 m/s²、1人の乗り降り1秒は仮定です。かごはLaydyneの決まった集合運転で動き、メーカーの群管理は入れていません。
- 480人の25 %は120人、20 %は96人です。
2. 5分間に何人運べるか
AIは、480人が全員1階で同時に待つシナリオを書きました(put_process_scenario)。300秒で止めて、自分の階に着いた人を数えています。かごの台数を変えて(sweep_process_parameters)、20回ずつ比べました。
| かごの台数 | 5分間に運べた人数(20回の平均) | 95 %区間 |
|---|---|---|
| 1台 | 34.1人 | 32.9〜35.2人 |
| 2台 | 67.2人 | 66.1〜68.2人 |
| 3台 | 98.0人 | 96.4〜99.6人 |
| 4台 | 125.3人 | 123.4〜127.2人 |
- 一社占有の25 %(120人)には、4台(125.3人)が要ります。
- 一社占有でないビルの20 %(96人)には、3台(98.0人)で足ります。区間の下も96.4人で、わずかに上回るだけです。
3. 朝に来る人を流す
AIは、もう1つのシナリオで、480人が決まった時間のあいだに同じ割合で1階に来るようにしました。20分なら5分ごとに120人(25 %)、25分なら5分ごとに96人(20 %)です。台数と時間を変えて、20回ずつ比べています。
20分のあいだに来る(5分ごとに120人)
| かごの台数 | 平均の待ち | いちばん長い待ち | 待つ人の最大 | 全員が上に着く |
|---|---|---|---|---|
| 2台 | 426.1秒 | 885.5秒 | 205.4人 | 35.9分 |
| 3台 | 107.8秒 | 231.7秒 | 80.3人 | 25.0分 |
| 4台 | 17.3秒 | 61.7秒 | 27.6人 | 21.9分 |
25分のあいだに来る(5分ごとに96人)
| かごの台数 | 平均の待ち | いちばん長い待ち | 待つ人の最大 | 全員が上に着く |
|---|---|---|---|---|
| 2台 | 291.5秒 | 617.2秒 | 142.4人 | 36.3分 |
| 3台 | 32.0秒 | 97.2秒 | 33.7人 | 27.2分 |
| 4台 | 10.1秒 | 43.1秒 | 17.5人 | 26.5分 |
- 5分ごとに120人が来ると、3台では平均107.8秒、いちばん長い人で231.7秒待ちます。4台なら平均17.3秒です。
- 5分ごとに96人なら、3台で平均32.0秒です。
- 待ち時間はかごを呼んでから乗るまで、最大の人数と「全員が上に着く」(来はじめてから)は20回の平均です。5分間に運べる人数が来る人数を下回ると(2台)、待つ人の列は伸び続けます。
4. この確かめ方の使い方
- 自分のビルの階数、各階の人数、かごの定員と速さ(メーカーの値)をAIに伝えてください。一社占有か、テナントが分かれるかで目安が変わります。
- 確かめていないのは、群管理の最適化(行き先階の予約など)、下りや階のあいだの移動、来客、階段を使う人、昼の混雑です。計画の前に、メーカーの交通計算で確かめてください。



