テナントビルのモデルから始める(無料登録)か、自分の図面を描いてください。避難器具(緩降機・救助袋・避難はしごなど)が要る階と個数は、消防法施行令第25条が、用途・階・収容人員・直通階段の数で決めています。この記事では、模擬の3階建てのテナントビルで、AIがMCPで呼ぶのと同じ道具を動かしました。以下の数字は、すべてその結果です。

施行令が求めること

e-Govの条文から、次の値を使います(消防法施行令第25条、消防法施行規則第26条・第27条)。

  • 避難階と、11階以上の階には要らない。
  • 飲食店・物販店など(別表第一の(1)〜(4)項、(7)〜(11)項)は、2階以上の階(特定主要構造部を耐火構造とした建物の2階を除く)か地階で、収容人員が50人以上(第3号)。事務所・工場((12)項・(15)項)は、3階以上の階か地階で150人以上、無窓階と地階は100人以上(第4号)。病院・診療所は20人以上、ホテル・共同住宅は30人以上で、下の階に飲食店などがあれば10人以上(第1号・第2号)。
  • ほかの階でも、3階以上(2階に飲食店などがあるビルは2階以上)で、避難階か地上に直通する階段が2つない階は、収容人員が10人以上なら要る(第5号)。
  • 個数は、収容人員が100人(第3号は200人、第4号は300人)までは1個、それを超えると100人(200人、300人)ごとに1個を加える。使える器具は、階ごとに表で決まっている。
  • 器具を設ける開口部は、上下の階で同じ垂直線上に並べない(規則第27条第2号。滑り棒・避難ロープ・避難橋・避難用タラップを除く)。

check_space の escapeDevices は、階ごとの用途と収容人員から、要る号と個数、使える器具を答えます。収容人員は occupantLoad と同じく従業者と部屋から数え、直通階段の数は図面の階段をたどって数えます。描いた器具が足りるか、開口部が上下に重なっていないかも確かめます。

1. 階ごとの収容人員と、要る避難器具

階用途収容人員直通階段要る避難器具
1階物販店20人(従業者3人と、売場70.62 m²を4 m²で割った17人)—要らない(避難階)
2階居酒屋32人(従業者4人、カウンター席5席、テーブル席69.93 m²を3 m²で割った23人)1つ1個(第5号。2階に飲食店があるので2階から)
3階事務所19人(従業者16人と、受付9.80 m²を3 m²で割った3人)1つ1個(第5号)

2階の居酒屋は50人に届かないので、第3号は当たりません。3階の事務所も150人に届かないので、第4号は当たりません。どちらも、階段が1つなので第5号で要ります。直通階段の数は、図面の階段を階から階へたどって数えました。2階からは1つの階段で1階へ、3階からは同じ階段室で2階を通って1階へ下ります。

使える器具は、2階が滑り台・避難はしご・救助袋・緩降機・避難橋・滑り棒・避難ロープ・避難用タラップです。3階は、そこから滑り棒と避難ロープを除いたものです。

2. 描いた緩降機を確かめる

2階・3階とも、東の窓から使う緩降機を描いてあります(格納箱は窓のそば)。器具は、使う開口部(窓・扉・ハッチ)で指定します。

2階の平面図
2階:居酒屋。東の窓のそばに緩降機
3階の平面図
3階:事務所。緩降機は2階の真上

個数と種類は足りますが、3階の緩降機の窓が2階の真上にあります(規則第27条第2号)。3階の緩降機を西の窓から使うことにして、格納箱もそのそばへ移し(edit_space、1回の変更)、確かめ直すと、重なりはなくなり、どの階も足ります。床の検査(check_space)の指摘は0件のままです。

移したあとの3階の平面図
3階:緩降機を西の窓のそばへ

3. 何が変わると変わるか

変えたこと結果
3階も飲食店(19人)3階は第5号で1個のまま。ただし、3階に飲食店があって階段が1つなので、特定一階段等防火対象物になる。器具は、安全なバルコニーなどに設けるか、常時使える状態にするか、1動作で使えるものにする(規則第27条第1号)。
直通階段が2つ2階・3階とも要らない(第3号・第4号の人数に届かず、階段が2つあれば第5号は当たらない)。

4. この数字の使い方

  • 図面を施行令と比べたもので、消防署の検査ではありません。避難器具の設置の届出と検査は、所轄の消防署が行います。
  • 規則第26条第3項〜第7項の減免(渡り廊下・屋上広場・バルコニー・小規模特定用途複合防火対象物)、開口部のない壁で区画された部分ごとの扱い、器具の開口部の大きさや降下空間(告示)は確かめていません。
  • 収容人員は、消防法施行規則第1条の3の数え方です。実際に入れる人数ではありません。